カイシンノステミ

毎月100冊以上の漫画&小説を読みながら発達障害でわちゃわちゃしています

【アニメも漫画も小説も】最近作曲するモチベーションを爆上げしてくれた作品7選

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 さぁ、1ヶ月以上ぶりに帰ってまいりました。

特に鬱で死んでたわけでもないんですが(まぁ鬱にもなってましたが)

とにかく創作活動を再開しようしまして、いろいろ曲作りなんぞしつつ考えておりましたがイマイチしっくりこない。 

 

なんでかしらん?と考えてみたところ

物語が圧倒的に足りん!

 

というわけで、この1ヶ月ばかり外界との連絡も一切絶って怒涛のようにアニメ・漫画・小説と物語をひたすらに摂取していました。

今日はその中でも「作曲するモチベーションを爆上げしてくれた作品」をご紹介していきたいと思います。

アダムとイヴの日記【小説】★★★★★

Amazon トウェイン完訳コレクション アダムとイヴの日記 (角川文庫)

この世で最初に生まれた人間、アダムとイブがつけていた日記が見つかったぞ!

一生懸命解読したし、もう著作権もねーべ!

っつーわけで晒すわ。

っていう小説。

 

冒頭からアダムの

「なんか髪の毛の長いヤツがうろちょろ後を追っかけてきてマジうぜーんだけど」

っていうグチから始まり、片っぱしから「森」だの「河」だの「ドードー鳥」だの名前を付けていくイヴにウンザリしつつも、少しずつ理解を示してく二人の日記形式の物語。

 

最初にアダムの日記が紹介されてその次にイヴの日記が紹介されるんだけど、アダム目線の出来事とイヴ目線の違いがすごく胸に染みていい。

 

聖書では蛇にそそのかされてイヴがリンゴを食べてエデンを追放されるけど、この日記では追放の理由が「リンゴを食べた」ことじゃないのが凄い。

この辺の皮肉なユーモアがさすが「トムソーヤ」のマークトウェイン。 

  

最後のアダムの一言は、不意をつくのもいい加減にして欲しいレベルで涙が飛び出るので要注意。

 

すぐに読み終えるボリュームだし、何度でも読み返してしまう個人的名作。

どこの書店にもなかったのでKindleで読むのがオススメ。

氷の涯【小説】★★★★★

Amazon 氷の涯 (国立図書館コレクション)

めちゃくちゃ良かった。

「氷の涯(こおりのはて)」は

大正9年のシベリア出兵中の一等兵が「売国、背任、公金横領、虚偽告訴、窃取逃走、放火、殺人、婦女誘拐」ともはや数え役満な疑いをかけられ、逃げ回った末の真相と真実を遺書という形で書き記すというもの。

 

ざっくり言うと

「うわー暇だわー」ってダラダラしてた主人公の駐屯地で、これまたいいタイミングで軍の資金の持ち逃げ事件が発生。

「おもしろそー!私も一兵卒だけど犯人推理しちゃお!」

つってトンチンカンな事してたら

全部私のせいになっちゃったお!

っていうお話。

 

作者の夢野久作は「読むと頭がおかしくなる」と言われている日本三大奇書の一つ 「ドグラ・マグラ」の作者でもあるので、相当読みずらいんだろうなぁと思っていたらスゴク繊細かつユーモラスな文体で読みやすい。

「文豪ストレイドックス」でも結構やべーキャラだったから小説もやべーだろうなと思ってたんだけど、意外や意外すごい心地いい文体で私好み。

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何と言っても「氷の涯」は最後の一文が全て。

どんでん返しとかでは一切ないけど、今まで読んできた小説の中でもトップ3に間違いなく入る一文。

この一文を読むダメだけに「氷の涯」を読んでもいいくらいです。

 

どうせ読むならこの文庫に代表作が3編収録されているので、これを買うのがお勧め。

Amazon 日本探偵小説全集〈4〉夢野久作集 (創元推理文庫)

3曲くらい曲が書けそうなくらい大好き。

アルジャーノンに花束を【小説】★★★★★

Amazon アルジャーノンに花束を〔新版〕(ハヤカワ文庫NV)

前々から気になってたんだけど、「小説で読む事に意味がある名作」でございました。

ざくっというと

32歳で知的障害の主人公が、大学の研究対象になって「知能を人工的に高める手術」を受ける事になって、ひたすらその経過報告を書き続ける。

徐々に知能が向上していった主人公チャーリーは、常人を超えて天才になってしまう。

というお話。

 

全部「経過報告」で全編を構成させるっていう形式も凄いんだけど、徐々に徐々に知能が上がっていく表現がすんごい。

っていうか日本語訳を担当した小野氏の手腕がエグい。

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最初は基本的に全部ひらがな&誤字脱字のオンパレードな経過報告が、徐々に整頓された文章に変化していき、それとともに「知能」と「知識」を得た事によって変わっていってしまう主人公チャーリーの喜びと苦悶はホント永遠のテーマ。

 

理で説明できる知識は素晴らしいし欲するけど、そうじゃない、それじゃ表せない何かの素晴らしさは、どうやって伝えたらいいかも分からないけど伝わる人には伝わる。

それを理で「幻想」とか「思い込み」って片付けてしまうのも何か違う気がするけど、それを理で説明できないから自分でもそれが正しいのか分からなくなる。

 

この小説も最後の一文が全部だと思う。

 

実はエンディングはいくつもの出版社から「うちで出したいなら変えなきゃダメ!」って言われ続けていたらしく、作者のダニエル氏も不安になり親友の小説家に

「変えたほうがええねんかなぁ?」と相談したところ

「もし君が結末を変更しようなんて気を起こしたら、その両脚をバットでへし折ってやる」

というありがたいお言葉をいただき、変更を一切せずに出版社を探し続けたという逸話つき。

ちなみに親友の小説家は「地球解放」の作者のウィリアム・テンね

 

とにかく名作。

読まないと損。

瓶詰の地獄【小説】★★★

Amazon 瓶詰の地獄 (角川文庫) 文庫

海岸で見つかった3本のビン。

中には無人島に漂流した若い兄妹からの3通の手紙。

その手紙の内容を一つずつ紹介するだけの短編。

 

なのですが、これまた夢野久作ワールドが全開で最高。

 

是非とも予備知識なしで一度読んで欲しい。

「何がこれ面白いの?」と思ったら軽くググってみましょう。

 

謎が謎を読んで何か正解か全くわからない夢野久作ワールド。

どの目線から考えるかで曲がいくつも書けそうな寄木細工みたいな物語。

無限の住人【漫画】★★★★

Amazon 新装版 無限の住人(15)<完> (KCデラックス)

最終巻が100点すぎた。

「波よ聞いてくれ」の沙村広明氏の代表作「無限の住人」。

 

とにかく女の人が拘束されて拷問されるのが鉄板な沙村広明ワールドは健在なんだけど、ラストの愛の置き場が素晴らしすぎた。

登場人物全員の正義もちゃんと貫き通して完璧100点。

最終巻をモチーフに曲を書きたい。

大好き。

アリス殺し【小説】★★★

Amazon アリス殺し (創元推理文庫)

深みも特にないストーリーではあるものの、なんか猛烈にエモコアみたいな曲が書きたくなる「アリス殺し」。

ストーリー的には

最近「不思議の国のアリス」のアリスになった夢を見るんだけど、私以外にも「不思議の国のアリス」の夢を見てる人がいるんだって!

私は「アリス」であの人は「トカゲのビル」!

夢の中で「ハンプティダンプティ」が死んだらあの人も死んだ!

夢と現実がリンクしてるっぽいお!

犯人探さないと危ないお!

っていうミステリもの。

 

あれ?小林 泰三ってホラーの人だよね?

玩具修理者の人でしょ?

 

それがこんな世界観でSFミステリって超意外〜。

と思ったらしっかり小林泰三してました。

バッキバキのグロホラーSFミステリです。

 

他の人は結構絶賛の声が多いけど、そこまで期待しないで読めばすごく面白い。

ちゃんと「不思議の国のアリス」をやっている分、しっかりグロホラーとミステリがバッチリはまってて「アリス好き」としては大満足。

 

ただオチもどんでん返しも深みはないので、そこだけは要注意。

なんかこう「どかーん!」としたメロコアみたいな曲が書きたくなる。

宇宙よりも遠い場所【アニメ】★★★★★

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へ!こんな萌えアニメなんか観るかよ!

と思ってたけどごめんなさい最高でした。


オリジナルTVアニメ『宇宙よりも遠い場所』PV第2弾|2018.01.02 ON AIR

ストーリーは予告編見てもらえればわかると思うんですけど

女子高生4人組があーだこーだあって知り合って南極目指して頑張る!

っていうお話なんですよ。えぇ。

 

全然そそらなかったんですけど、

これマジで何かしようとしている人は全員見たほうがいいよ。

「うそでしょー」と思ってる人はね、騙されたと思ってちょっと見てみな。

 

9話で目玉飛び出て11話で拳突き上げて最終話でスタンディングオベーションしちゃうから。

 

基本的になんか知んねぇけど泣かせにくるのはまぁいいとして、9話から最終話までもう無敵すぎてアバい。

特に最終話は完っ璧ですね。

もう完っ璧。

 

定期的に見返せるレアなアニメ。

そりゃタグエン氏も「平成アニメランキング」で4位にするわ。 


2019年 平成アニメランキング TOP10 (涼宮ハルヒの憂鬱 フルーツバスケット コードギアス 魔法少女まどかマギカ けいおん! 宇宙よりも遠い場所) 1~12話の感想 livereaction

作曲しようとも"物語"が圧倒的に足りないと筆が進まない 

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というわけで様々な物語を摂取しまくったのですが、その結果、私の結論としては

「"物語"が圧倒的に足りないと筆が進まない 」ということになりました!

 

言い訳してんじゃないよ!とお思いかもしれませんが、私自身大した人間でもねーのでそんなに言いたいことないんですよね。曲にしても何にしても。

 

それだのに「曲を作ってきた」っていう過去の経験から、だんだん頭でっかちになってきて理屈が先に出始めて創作が進まない感じはまっておりましたので

(やれコード進行だ音色だなんだかんだ)

そういうのを全部取っ払うには初心に戻って物語からかなと。

 

「なんかいいっしょ!」で出たとこ勝負してたサルが五線譜にペン持ってもダメよ。

つーわけで無事に曲のモチーフも5.6個できたので、本格的に作曲再開します。

【アニメも漫画も小説も】作曲するモチベーションを爆上げしてくれた作品 まとめ

はい!そんなこんなで今日はブログも復活がてらいろいろまとめてみましたが

やっぱりアタクシ発達障害でもありますんで、結構観たり読んだりしたものも忘れちゃうんですよね。

というわけで、今回は備忘録もかねてまとめてみました。

 

個人的にやりたいことが作曲なので、アニメ・映画から触発されるモチベはそこまでなかったかな。

やっぱりアニメ・映画って音楽もセットな部分が大きすぎて何も「やりてー!」って気分は起きないよね。

 

あとは、漫画よりも小説の方が想像をしなくちゃいけない部分が多いからか、物語の濃度がすっごい濃い気がしたなー。(ミステリものは別として)

 

というわけで、またブログも書いていくのでみなさまよろしゅうでございます。