【大ドンデン返し】オガツカヅオの"切なホラー"炸裂!「りんたとさじ」は2度読んで3度美味いぞ!
久しぶりのオススメ漫画記事ですが
「その割に新刊じゃなくて古い漫画だな!」と思ったあなた。
新刊じゃない漫画をオススメするときはマジで面白いヤツだけだから、ホラー好きは間違いなく読みなさい。
今回ご紹介するのはこちら!
『魔法はつづく』のオガツカヅオ氏が贈る"セツナ大どんでん返しホラー"!
「りんたとさじ」でございます!
ネタバレなしで記事を書いてますので、これから読む人も安心してご覧下さい。
「りんたとさじ」あらすじ
眼鏡が印象的な青年“りんた”と、明るく情熱的な女の子“さじ”。恋人同士のはずなのに、ふたりはなぜか微妙な関係。
それは彼らの行くところ、予想を裏切る恐怖と不条理が待ち受けているから…。
繊細で緻密な独特のタッチと、ユニークなキャラクターが新鮮な著者の初コミックス。リアルな現実と、悪夢のような非現実が交錯し読者を奇妙な世界へといざなう、予想を裏切る面白さの異色青春ホラー連作シリーズ。
引用:Amazon
オガツカヅオ節の原点「りんたとさじ」の"切なホラー"のキレキレっぷりよ
基本的なストーリーとしては
オカルト関係の"バイト"をしているという「りんた」君と
そんなりんたくんにベタ惚れの「さじ」ちゃんの二人が様々なオカルトに巻き込まれていくという1話完結型のお話なのですが、何と言ってもストーリー1つ1つの"切なさ"と"ホラー"の塩梅が秀逸すぎる。
収録されているお話をざっと紹介すると
- 炬燵の人
新婚ホヤホヤの大学の先輩夫婦のお話 - 妖精の人
妖精に魅せられて妖精になってしまった女性のお話 - 味の人
病院で亡くなりそうなさじちゃんのおばあちゃんの話 - 穴の人
ある日ブチきれてしまったゴルファー志望の青年の話 - 鳴く人
一匹の猫が繋いだ夫婦の話 - 傘の人
学祭に現れた夫婦との"キメラ"にまつわる話 - また会う人
さじちゃんがデートの途中で怪異に巻き込まれる話 - さくらの人
大学の教授室で家族からの電話を待つ教授のお話
以上の全8話なのですが
はっきり言って外れ回が一個もありません。
ちなみにこの「りんたとさじ」は2009年の作品でオガツカヅオ氏の初の単行本作品になるのかな?
そして最近話題になった最新作『魔法はつづく』は2018年の作品なのですが、もう実は2009年の時点ですでにキレッキレだったんですね。ちくしょう知らなかった。
本当にどの回もすごく好きで(マジでお世辞ゼロ)全部大プッシュしたいのですが、厳選して個人的に好きな回を紹介すると
- 穴の人
- 鳴く人
- 傘の人
この3つですかね!
「穴の人」は「切ない」とかはないのですが、狂気と因果の描き方が素晴らしくてイギリスあたりの「ショートショート」の映画を観ているかのよう。
特にマンホールからの一撃のシーンは必見。
「鳴く人」は愛してるために歪み壊れてしまう先輩の姿が悲しくて切なくて。
すごく残念なのがこのお話のキーの一つが「携帯電話」なんだけど、スマホが主流のこれからはこの描写の「ぐっ」とくる感じは薄れていってしまうんだろうなぁってこと。
「傘の人」は何と言っても人間が一番恐ろしく感じる大オチ。
「マジかよそこかよ!」と叫びたくなるおぞましさは必見。
この「人間が一番恐ろしい」っていう描写は『魔法はつづく』でもみられるんだけど、もはや「りんたとさじ」の頃からこのスタイルが確立していたとは。
オガツカヅオ氏、恐るべきでございます。
一度じゃない!オチの"大どんでんでん返し"に震える「りんたとさじ」!
ホラー好きならわかると思うんだけど「洒落怖」にしても何にしても、大体ホラーモノって「うわぁ!」っていう“どんでん返し”があるじゃない。
アレがね、「りんたとさじ」は1話につき2回あるんですよ。
下手したら3回ある時もあるからね。
しかも上手いのがその見せ方で、もちろんストーリーでどんでん返す時もあるんですが、絵で「マジかよ!」にさせてくれる時もあるし、「お前そこだけ黒バックで白文字のみでくんのかよ」と緩急メリハリがエゲツない。
「妖精やねんスゴイやろ」も、一度オチまで読んだ後に最初から読み返すともうハチャメチャに怖い。
是非みなさんも一度でなく、オチまで読んだらもう一度読み返してみてください。
最初に読んだ時と全く違う表情の物語がそこに広がっていますので、これを逃すのはもったいないお化け出ちゃいますよ。
「りんたとさじ」まとめ
という訳で、今回は新刊でも何でもない「りんたとさじ」をご紹介させていただきましたが、イヤほんとマジで面白いからホラー好きでまだ読んでない人はホント読んで。
そんで「マジかよこの漫画ヤベェな!」ってなった人は、この切れ味がさらに研ぎ澄まされた『魔法はつづく』を是非読みましょう。
ほんとにオガツカヅオ氏のホラーはすごく心にほんわか響いて素敵。
こうなると「ことなかれ」も読みたいんだけど、オガツカヅオ氏は作画だけっぽくてちょっと悩んじゃうよなぁ。うーむ。
早く新作が読みたいので、みなさまも是非どんどんオガツカヅオ作品を購入して次回作を待ちましょ!
それでは!また!