戦争で生き残った人々を描く「結ばる焼け跡」の空気感の生々しさがスゴい
こんにちわ!ルムです。
今回ご紹介するのは、戦時中ではなく「戦後」の日本を描いたこちらの作品!
「結ばる焼け跡」でございます!
ネタバレなしで記事を書いてますので、これから読む人も安心してご覧下さい。
「結ばる焼け跡」あらすじ
昭和20年、上野ーー。
終戦直後の焼け跡で、全てを失った者達の魂が爆ぜる。自分以外の家族を失った戦争孤児・兼吉は、絶望の中でもがき続ける。
だが謎の青年・金井田との出会いが、少年の心を解きほぐし・・?
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戦争で生き残った人々を描く「結ばる焼け跡」
以前ご紹介した「不死身の特攻兵」は戦時中の特攻隊のお話でしたが
「結ばる焼け跡」は戦後の上野が舞台。
少年・兼吉は自分以外の家族をなくしてしまい、戦争が終わり模様変わりしていく世の中がどうしても認められない。
自分の家族を奪ったモノやコトに迎合するのも、馴染むこともできず暴れまわる日々の兼吉に、同じく戦争によって絶望してしまった青年・金井田が手を差し伸べるコトによって過ごしづつ兼吉も心を開いていきます。
戦争も確かに辛く悲惨なことですが、それに生き残った者もまた辛く、力ない女性や子供達がどう生きてきたのか。決して明るくはないのですが、「明日を生きる」ことで精一杯な闇市での人をリアリティたっぷりに描く「結ばる焼け跡」は非常に良作。
「結ばる焼け跡」の戦後の生々しい空気感がすごい
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— 紀伊國屋書店 新宿本店 (@KinoShinjuku) December 28, 2018
物語のなかで兼吉や金井田はいろいろな問題に巻き込まれるのですが、戦後すぐのみんな生きるのに精一杯な日本の空気感の描き方がすごい上手。ものすごく生々しいし、砂埃が感じられそうなくらいの迫力は圧巻です。
ベタが目立つ描き方で表現される街並みや人もそうなのですが、「結ばる焼け跡」の戦後生々しさを表現するのに一役買っているのが何と言ってもセリフまわし。
少年・兼吉の口調や人を呼ぶときに「貴様」という言葉を使うのもそうなのですが、はっきり言って「え?これ大丈夫なの?」っていう規制かかりそうな単語がポンポン連発で登場し、その言葉によって世界観が非常に生々しさを帯びてきます。
「パンパン」や 「合いの子」なんて今使ったらやばいでしょ。
そういうのもガンガン通すのはさすが「マンガゴラク」。こういったセリフが入るだけで、戦後の闇市などの空気感のリアリティが段違いに増します。
やっぱり言葉って世界を作るのにすごい効果的だよなぁ。
「結ばる焼け跡」まとめ
はい!それでは今回の 「結ばる焼け跡」をまとめますと
- 戦後の闇市の空気感は想像以上
- 読むのにちょっと背筋伸ばさなきゃいけないけど是非オススメ
- 規制がかかりそうな当時の言葉が伝えるリアリティは圧巻
と、こういう感じなのですがこういうシビアな作品は紹介するのすっごい難しいなぁ。
きっと私の言葉では10%も素晴らしさを伝えられていないと思うので、是非直接手にとって読んでみてください。いやー!申し訳ねぇズラ。
それでは!また!
あ、マンガファンの人は「ビベーラ」もぜひ試してみてね!