【超オススメ】「残響」の愚直で過激な生き様が刹那的で儚くて最高。
今回ご紹介するのはエクストリームマンガ学園025 劇画狼が選ぶ、2017年のオススメマンガ40個くらい!で気になったこちらの漫画のご紹介!
高橋ツトムが描く青春逃走物語!!「残響」でございます!
ネタバレなしで記事を書いてますので、これから読む人も安心してご覧下さい。
「残響」あらすじ
とある工場町で、漫然と日々を過ごす智(さとる)。彼が暮らす安アパートの隣室には、元ヤクザの老人、瀬川が住んでいた。
ある日、瀬川は智に「500万渡すから、自分を殺してくれ」という依頼を受ける。
躊躇する智だったが、瀬川から、智の中に巣喰う狂気を見抜かれ、彼自身の心にも変化があらわれはじめ…!?
人間の心の闇と、生き方を問う、
超実力派作家、高橋ツトムが挑む新境地、青春逃走物語!!引用 : Amazon
「そこに突っ立って、オレの事見下すなら、殺すぞ。」
主人公の智は毎日を無気力に生きる青年。
そんな彼に、アパートの隣の部屋に住んでいる元ヤクザの老人が500万という現金と一丁の拳銃と引き換えに「自分を殺して欲しい」と依頼します。
「お前は弱い者を攻撃する男だ。性根が卑しいんだよ。だからな、オレを殺って金を手に入れて、くだらねぇ人生を変えてみろ。」
引用:残響1巻
しかし、この言葉の通り「散々悪い事をして生きてきた自分が、病気で死ぬなんて贅沢すぎる」という理由で殺されるを願う老人に対して、主人公の智は返事もせずにただ老人が病で死ぬ事を待ち、拳銃を手にする事を選びます。
老人は日に日に衰弱していく遂には智を呼ぶ事もできないほどになり、そんな彼を見下し静かに彼の死を待つ智。
そして、この老人の一言で物語は始まります。
「人生を変えようともせず、そのまま何もしねぇで、水面を漂う枯れ葉のように死んでいけ。」
「そこに突っ立って、オレの事見下すなら、殺すぞ。」
引用:残響1巻
クズが本当のクズにならない為に足掻く「残響」
その言葉に感化された智は老人を約束通りに殺した後、老人が昔に殺した人たちの遺族に香典を渡す旅に出かけるのですが
この物語のスゴいところは、主人公の智は「自分で何も決めないで生き続ける」というところ。
「遺族に香典を渡す旅」自体も「この後どうしたらいい?」と老人に訪ねて決めてもらったもので、智の意思ではありません。
自分が無く流されるように生きてきた智が、それこそ「異常」という日常に身を落としつつも託された約束を紡ぎながら「クズが本当のクズにならない為に足掻く」姿が痛々しくも切なく美しい。
「約束を守る」
これだけを生きがいに愚直に、過激に生きようとする智の姿は刹那的で儚くて最高よ。
愛を定義するために先に形を作った「家族」のカタチ
智はその後にヤクザに飼われているゲイの少年や親を亡くした子供と出会い、少しづつ約束を増やしながら「自分の生き方」を見つけていくのですが、一つ一つの言葉がもう胸に刺さりまくるほどかっこいい。
たっぷりと4ページにも渡って描かれる最終巻でのお寺の和尚との一言ずつの会話シーンは、緊迫感と絶望が素晴らしく美しいのでマジで必見。
「人の道って何?そんな道、地図に載ってないでしょ。」
引用:残響3巻
逃げて逃げて、逃げ切ることでしか守れずに生きられない二人の「家族とは」「愛とは」「生き様とはを」を、常識を良識をすっぱ抜いて描く高橋ツトム氏の画力と魅せ方はマジで圧巻。
アウトローになってしまった者同士が形から入った「家族」という絆で結ばれて足掻く「残響」は、間違いなく名作なので、絵が少しでも気になった人・あらすじに少しでもピンときてしまった人は是非とも読んでみてください。
「残響」まとめ
はい!というわけで今回紹介した「残響」ですが、結構絵のタッチとか内容とかで読む人を選んじゃいそうな作品ですが、タイトルと表紙で「ビビビ!」ときた人なら絶対満足できるはず。
3巻で完結する上に読後感はいい映画を観た後と同じくらいの余韻が残るので、ゆったりと時間のある時に一気読みするのがオススメです!
マジでオススメよ。
それでは!また!
あ、マンガファンの人は「ビベーラ」もぜひ試してみてね!