カイシンノステミ

毎月100冊以上の漫画&小説を読みながら発達障害でわちゃわちゃしています

【映画をきっかけに始まる恋愛ストーリー】「ケンガイ」は響く人しか響かないかもしれないけど私はオススメしまくるぞ。

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今回ご紹介するのは、新刊でもありませんし話す人話す人に「なにそれ?」っていわれるのですが、もう私が大好きすぎるので紹介します。

映画のワンシーンをきっかけに始まるクセの強い恋愛ストーリー。

「ケンガイ」でございます。

多少のネタバレを含みますのでご注意くださいませ!

「ケンガイ」あらすじ


Amazon ケンガイ(1) (ビッグコミックス)

就活をドロップアウトして、レンタル屋さんでバイトを始めた主人公の伊賀くん(23)は、1コ上の先輩・白川さんに一目惚れ。

ぱっと見、悪くないルックスの彼女。ところが、職場の先輩達からは「マニアックな映画にしか反応しない変わり者」という評判しか聞こえてこない。

さらに、彼女がいつもつるんでいる同僚と2人セットで「圏外」と呼ばれており、恋愛対象からは完全に除外されていて…!?

はたしてこの恋、アンテナの立つ日は来るのか…??
待望の第1巻!!

引用 : Amazon

「あのシーンで感動しない奴を信用しない」

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これは「ケンガイ」の最初の1コマ目なんですが、映画好きならこの感じは「グっ」ときちゃうんじゃないでしょうか。

「映画大好き!」って人なら絶対ある「個人的名シーン」を共感できる相手ってすごいシンパシー感じちゃいません?(ちなみに私は「Dolls」の菅野美穂が涙を流すシーンで感動しない奴は信用しません!)

「ケンガイ」はざっくり言うと、主人公の伊賀くんがバイト先の先輩・白川さんの「その相手」になろうとしてアレコレ四苦八苦する恋愛もの。

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そして、白川さんはというとバイト先では「アレ」とか「女捨ててる」とか「圏外」とか言われてる映画オタクの「難あり女子」さてさてこの恋愛はどうなることやら。

的なお話なのですが、「映画好き」のお話だけあってか非常にヨーロッパ映画っぽい恋愛ストーリーで好きな人は超好きなトリッキー漫画なのでございます。

「ケンガイ」で考える「恋愛のかたち」


Amazon ケンガイ(2) (ビッグコミックス)

ヒロイン・白川さんはハッキリ言うと、精神疾患もしくは発達障害があるんじゃないかレベルのぶっ飛び女子で、映画は大好きでラブストーリーも観る癖に自分自身にとっての恋愛という概念自体がそもそも希薄。

さらに、主人公の伊賀くんも始まりは「のけ者にされてる白川さん」が気になったところからスタートしてるので、実はこの物語は「恋愛」がない状態が始まりなんです。 

そして、半ば執念のごとく白川さんに伊賀くんがアプローチをかけていき、少しづつ物語が進んでいくのですが、果たしてこの物語は「恋愛」なのか。

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この部分に焦点を合わせて読み進めていくと、最終巻のラストシーンの突き抜け感が半端ないのでぜひ忘れずに読み進めていただきたい。

恋愛というものに「こうあるべき」という常識を中心に接する伊賀くんと、「恋愛」自体を新発見して眺めている白川さんの結末の読後感は何度も言うけどマジでヨーロッパの恋愛映画観た後みたいな脱力感があって最高。

このラストーシーンがいいっていう人とは美味しい酒が飲めそうだなぁ。

ネタバレ!「ケンガイ」の「あの映画」の正体

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さあ!ネタバレでもしますか!

冒頭で「タイトルが知りたい」と言われている映画の正体なのですが、実はこれは「エレファントマン」なんです。

 

この「エレファントマン」の中のシーンで、ひどい外見を見世物小屋にいた主人公が自分を研究する医者の妻に会った時にいうセリフ

「ただ、感激したんです」
「こんな美しい女性に優しく接してもらったことがなかったので」

このシーンが白川さんの言う「あのシーンで感動しない奴を信用しない」なのですが、このシーンの解釈がねー。いやいやいやいやぁな感じでなかなかヘビー。

周りの常識や価値観、自分の感情さえも理解しきれていない白川さんが「心動かされる」シーンとその理由に一体何を思うのか。

是非ともここは「ケンガイ」を実際に読んで体感して欲しい!

それを踏まえた上でのラストシーンの最後の一言なので。

本当綺麗なラストシーンで大好きなんだよなぁ。超オススメ。

「ケンガイ」まとめ

Amazon ケンガイ(3) (ビッグコミックス)

はい、というわけでかなりマイナーな「今更?」な漫画をご紹介しましたが、この漫画最初は表紙が綺麗で買っちゃったんだよなぁ。

そして作者の大瑛ユキオ氏はこれ以降新作がない!

この辺もすごく様になってて好きなんだけど、できれば新作読みたいなぁ。

大きい波もなく、ゆったりと熱情をまとうこの恋愛感。いいよー。大好き。

気になった人はできれば読み終わったらツイッターでツイートなんかしてください。

そして大瑛ユキオ氏が新作を作るきっかけを一緒に待ちましょう!

それでは!また! 

あ、マンガファンの人は「ビベーラ」もぜひ試してみてね!

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