カイシンノステミ

毎月100冊以上の漫画&小説を読みながら発達障害でわちゃわちゃしています

【ADHDでも小説が書けるのか】8~9日目。お風呂でのアイディアでそのまま書き上げちゃってみた

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さてさて、相も変わらず続けていますよ「ゼロから始める発達ハゲの小説生活」。

今回は夜中のテンションで一個書き上げることができたショートショートがあるので、どういう感じで事が運んだがをあとで見直せるようにログとして報告したいと思います。

 

さて、ゼロから始める発達ハゲの小説生活。

8~9日目の始まりでヤンス。

過去の記事はこちらにまとめてあるのでよかったらどうぞ!

とにかく文章を書くようにしてみた

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さて、前回から考えている「ハラスメント戦争」がいまいち先に進んでいませんが

小説を書けなくても文章は作れるべや。

というわけで、最近立ち上げてたこちらのサイトがあるのですが

www.kanagawa-sauna.com

このカイシンノステミと合わせて、記事をとにかく書いてみることにしました。

サウナのサイトの方ではできるだけ「小説を書くぞ俺は〜!」っていうのを意識しつつ、言い回しや構成なんかも気にしてチャレンジ。

こっちのブログではできるだけいつも通りに!

 

書けた記事は7記事で、文字数としては8000~9000文字くらいでした。

効果があるのかまだわからないけど、文字を書き続けるのも多分筋トレみたいなもんだと思うので出来るだけ継続していこうと思います。

それにしても、webの文章と紙媒体の文章って違うからこの辺も勉強しないとダメだよなあぁ。学ぶこといっぱいだぜ。

いきなりのアイディアでそのまま書き上げてみた

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 とかそんなことをしてたら、翌日お風呂でいきなりアイディア勃発。

つっても出だしの一文だけなんだけどね。

大変だ。

今、僕の目の前には神様がいる。 

 イヤ、まじでホントこれだけなんだけどさ。

星新一のショートショートをちょど読んでたからなのか、ここからどう転がすかも全く決めてないのに何かフレーズが気に入ったのでそのままiPhoneにメモ。

 

が、お風呂を出てもどうにもアイディアが進展しない。

 

まぁ!今本筋の「ハラスメント戦争」もありますし!

というわけで、ご飯を食べてビールを2本飲んでごろごろしつつ、寝るまでの暇つぶし感覚でポチポチさっきのアイディアを先も決めずに書き進めてみました。

 

これがね、オチも何にも行き先を決めてないのにバンバカ進んでいくのね。

とにかく主人公を動かして、オチっぽいのは最後に帳尻合わせて、なんか曖昧な部分はとりあえず放置で自分の熱量高い部分だけブレないように一気に書き上げちゃう。

 

今冷静に振り返ると、多分進めながらオチがボヤボヤ〜とイメージ出来てきてそこに向かって進んでいった感じかしら。

 

1時間ちょいくらいでサクッと完成してしまい、何度か読み返してもいい感じなので「明日もいい感じだったら修正して完成させちゃお!」ということに。

翌日読んでもいい感じなので、とりあえず完成しちゃった

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そして翌朝確認すると、やっぱり悪くない。

いろいろ「それどないすんねや?」っていう部分はあるものの、本軸の出来事を変えないで帳尻合わせられそうなので、お風呂に入りながら修正と改変。

タイトルも何かサクッと決まり、ひとまずまとまってしまいました。

いったい「ハラスメント戦争」であんなに悩んでいたのが何だったのかと疑問はを残るものの、このままこっちの方を詰めて完成させちゃおうと思います。

小説が書きたくなったから書き始めてみる8~9日目 まとめ

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というわけで、何だか知らないけど1つ完成しちゃいそうな「ゼロから始める発達ハゲの小説生活」。

何かをつかんだ感も全くないのがちょっと怖すぎるので、この記事を書いた後に再度手直しをして完成させたら次の小説を書き始めたいと思います。

14日目までにもう一つはつくりたいですな。

2つあれば何か共通項かなんか見えるかもしれないし、見えなくても2つ完成させられたら3つ目も作れるでしょ!

最後に今回できたショートショートをログがてらに残しておこうと思いますので、よかったら読んでみてくださいません。

それでは!また!

叢生記(デモ)

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1日目
 大変だ。
 今、僕の目の前には神様がいる。
 目の前とはいいつつも、実際には六畳ギリギリのワンルームの対角線上なのだが、確かにヤツはいる。

 

 何をするわけでも何を言うわけでもなく、ただいるだけ。
 こちらがチョット目をやると、ヤツも思い出したようにこちらを見る。

 

 気に入らない。気に入らないが、いてしまうのはしょうがない。
 僕は無視を決め込む事にした。

 

 誕生日だというのに、なんて日だ。

 

2日目
 何度観たか思い出せないアニメの音声だけが響く部屋で、慣れないアルコールを飲んでみる事にした。
 昼間は外に出れないが、日付けが変わるあたりに外出するのはちょっと好きだ。誰にも負けてはいない気がする。
 酔い潰れる学生共を通り抜け、アルコールをビニール袋の中に潜ませ歩いているのは痛快だ。
 あいつらが飲むアレよりもテキーラに近い飲み物をこれから呑んでやる。飲むんじゃない。呑むんだ。

 

 若干の味への期待を抱えながらプシュっと音を鳴らすと、対角線上のヤツはチラリと一瞬だけコチラを覗いた。

 

 忌々しい。

 

 気にせず一気に甘ったるい消毒液を喉に流し込む。
 アイツは僕が呑む度に「ん、ん」とボソボソ呟き、かと言ってその声に振り向くとコッチを見つめてだんまりを決め込む。

 

 ムカつく。

 

 僕はやっぱり、全くと言っていいほどメロンソーダの味のしないそれを流しに捨てて、布団に潜り込んだ。

 

3日目
 わかった。
 ヤツを見なければ、いてもいなくてもどうでもいいのだ。無視以上に見ないように気を張ればいい。

 

 元々この六畳の部屋で僕の可動域はせいぜい四畳ほどだ。寝る時は布団を全て廊下に運んでしまえばいい。ヤツに付き合う事はない。
 正しさ?くだらない。
 この部屋でこっちを見つめる暇があったら、ハンセン病を隔離し始めたヤツらに天誅の一つでもしてきたらどうだ。
 神様ってヤツはいつも正しくあれとか言うくせに、自分で作った世界の事は放置プレーじゃないか。
 そんなの絶対間違っている。

 

 僕は、正しくもないが間違ってもいない。
 今日は徹底的に無視を決め込む事にした。

 

4日目
 今日、アイツがボソっと言った。
「ごめんなさい」だ。
 何に謝っているんだ?
 謝るくらいなら最初から全部作らなきゃいいのに。

 

 だからアイツは嫌いだ。
 全部わかってる振りしても、知ってるだけで何もわかっちゃいない。

 

5日目
 部屋を片付けることにした。
 大事なのは捨てる事のようだ。
 手に取るもので「ときめき」を感じないものを捨てればいいらしい。
 とにかく捨てる。
 今日はヤツもとても静かだ。
 こういう日が続けばいいのにと思う。

 

6日目
 大変だ。
 部屋に何もなくなってしまった。
 Netflixの言うことを信用した僕が馬鹿だった。
 ここまで僕が「ときめき」を感じないなんて、あの番組の女も思いもよらなかっただろう。
 ヤツもチリ一つなくなった部屋で、まるでフクロウみたいに目を丸くしてこっちを見ている。
 全くの同感だ。むしろ僕が一番驚いている。
 でも、ヤツを驚かせたのは少しだけ気分が良い。
 僕はちょっと余裕ぶって、鼻歌混じりにフローリングの部屋を飛び出し廊下で寝転んでやった。
 少しだけ泣いた。

 

7日目
 紐はあった。
 括る場所はない。
 小学生の時に母さんが好きだった真っ赤な頭をしたギタリストが、ドアノブを使っていたのを思い出した。
 母さん。そんな風に呼ぶのは頭の中とはいえ何年ぶりだろう。
 玄関は汚れてて嫌なので、しょうがなく部屋に戻ってやる事にする。

 

 ちくしょうやっぱりだ。やっぱり7日なのだ。
 ヤツが現れてちょうど7日目。
 休むなら、今日なんだ。

 

 部屋で決めるとなると、どうしてもドアの場所の都合でヤツと顔を合わせることにはなるが、仕方がない。
 ヤツを無視するように心がけながら、ゆっくりと缶のフタを開ける。プシュっと小バカにしたような音が響いたが、リアクションは一切せずにできるだけ一気に呑みこむ。
 味はやっぱり、メロンソーダのニセモノだ。
 いつから僕はニセモノを好んで飲むようになったのだろう。
 それにしても人の為と書いて偽物とは、これいかに。
 さしずめ僕は、誰の為ともならなかったのだから本物なのだろうか。

 

 ほいと体重を投げてぶら下がる。
 首が伸びるようで気持ちがいいような、そうでもないような。

 

 ヤツと目が合い、ふと笑ったような気がした。

 ーーふん。神を殺すのは、僕だ。

 

14日目
 母親が全ての段取りを終え、何もなくなった部屋へ帰ってくる。
 本当はもう少し早く来たかったのだが、あまりの出来事で心に体が追いつかなくなってしまっていた。

 

 十日ほど前に電話でした会話は、悪い意味でいつも通りだった。
「何もない」という近状報告を聞き、言葉に詰まり、つい謝って激昂させてしまい、電話が切れる。誕生日プレゼントの感想が聞きたかっただけなのに、それすらも上手くいかない。
 誰の力も借りず自分一人で遮二無二に頑張っていたつもりだが、親として正しくあったのかという不安が、いつもあの子を怒らせてしまっていた。
 35年間、いつもいつも。

 

 何もなくなってしまっている部屋で、メロンソーダの缶をプシュっと開けた。
 飲むこともなく、置くこともなく。

 

「晩御飯は何にしよう」
 黒と茶色と白だけの部屋で、無意識にそう呟いた。
 部屋に響いた自分の声でふと我に返り、部屋に唯一残された姿見で、少しだけ乱れた白髪を整え、ぬるくなったメロンソーダを一口飲む。

 

 自分が贈ったその姿見には、息子と同じで歯並びの良くない、使い方の間違った笑顔だけが一瞬映った。

 

15日目
 部屋のものはすべて、処分することになった。

むらさきのスカートの女

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