ポップとエグさのギャップで心掴むこの強引さよ。「少女、悪魔となるには」の空気感がつかめない
【「処女 or 触手」のスラッシュダークなハイファンタジー!】という何がどうなってるのかさっぱりわからないキャッチコピーに目を惹かれて読んでみたら、確かに「スラッシュダークなハイファンタジー」で超面白かった。
今回ご紹介するのは、「妹を生き返らせる為に悪魔なりたい少女」と 「愛で解ける呪いをかけられた悪魔」の物語。
「少女、悪魔となるには」でございます。
※多少のネタバレとグロ描写を含みますので、苦手な方や未読の方はお気をつけ下さい。
「少女、悪魔となるには」あらすじ
夭逝した妹を生き返らせるため、禁じられた召喚術を使い悪魔を呼び出した少女、レキ。
しかし、その願いを叶えるためには呼び出した醜悪な悪魔とまぐわう必要があって…!?妹を生き返らせるためにはなんだってする、殉情で純情な少女レキと、
人間のこころがちっともわからない、傲慢で怠慢な悪魔ロメレートが繰り広げる、スラッシュダークなハイファンタジー!引用 : Amazon
「少女、悪魔となるには」は適当悪魔と内気な少女の駆け引きバトル
魂の回収も浄化も下手くそで定職につけない悪魔のロメ。
無職状態ではさすがの悪魔も困ってしまうので、欲のある人間を悪人に育てる仕事をしようと、召喚悪魔募集の掲示板から適当に選んで召喚されてみる事に。
すると、そこにいたのは一人の内気な少女・レキ。
彼女の願いは「妹を生き返らせる為に悪魔になる」事。
ですが、人間が悪魔になるには「悪魔と寝る」という通過儀礼があり、しかも悪魔・ロメの本来の姿は触手付きの「THE 悪魔」。
そんな姿を見て言葉を失くすレキ。
そんなレキのロメは痛烈な言葉を浴びせます。
そして彼女は決死の覚悟を決め
ロメに夜這いをかけようとするところから物語は動き始めます。
「少女、悪魔となるには」は笑いも恐怖も捉えどころがない
「少女、悪魔となるには」の空気感は何とも捉えどころのないもので、悪魔ロメの口調がすごく砕けていたり効果音の文字がやたらポップだったりと、いい意味で肩透かしをくらう場面が非常に多く、気がつくと予想もしない状況になっていたりしてビックリ。
さらに、ポップな絵とエグいののギャップで一気にこっちの心を強制的につかんで来るような見開きもすごい。
セリフや余計な描写なしで、妹の死に対して一発パンチで仕留めるこの感じよ。
妹にもう一度会うためなら何でもするレキと、自分にかかっている呪いを解くために彼女を利用しようとするロイの、お互いの思惑を叶えるための駆け引きは一見笑えるように見えるのですが、なかなかこれがどうしていいか分かんないんだわ!
レキの妹への思いがヒシヒシ伝わってきてしまうので、自分に惚れされようとして色々やるロキの失敗がエグいし怖いし、笑っていいのか良い意味で全然わかんないんですよ。
怖い場面の時にはすっごいポップなキャラとか効果音が出てくるし、「この漫画は一体どうやって読めば良いんだ!」なんて思っているうちに1巻が読み終わってしまい、「えー!続き続き!」とのめり込んでしまう事間違いなし。
この捉えどころのない空気の中で繰り広げられる二人の思惑の心理戦は、ちょっと他の漫画じゃ味わえないので気になった人は是非こちらから試し読みしてみてください。
「少女、悪魔となるには」まとめ
はい!それでは今回の「少女、悪魔となるには」をまとめますと
- 「スラッシュダークなハイファンタジー」ってこういうのなのね
- 絵と会話の緩急とギャップで心掴むこの強引さは大好きよ
- 「悪魔を憐れむ歌」とはまた違う「地に足つかない」この感じよ
こんな感じでございますかね。
いやでも本当、この不思議な感じは種類は全然違えど「悪魔を憐れむ歌」以来。
「少女、悪魔となるには」も読む人を選びそうな感じがすごいしますが、絵がキャッチーなので入り口はいろいろな人が入りそうなので、みんなそのまま抜け出せなくなってくれたら面白いなぁ。
それでは!また!
少女、悪魔となるには 1 (MFコミックス フラッパーシリーズ)
- 作者: 八丸真幸
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2019/01/23
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