【胸熱】「法的措置が怖くて保護司やってられっか!」な『前科者』は2巻まで読んで欲しい!【漫画】
1巻ですでに面白かったのですが、2巻でオススメ決定になりました。
今回ご紹介するのは、刑務所から出所してきた人たちの社会復帰のお手伝いをする保護司のお話。
「前科者」でございます。
※多少のネタバレを含みますので、未読の方はお気をつけください。
「前科者」あらすじ
現代日本のリアルを抉った核心的人間ドラマ
現代日本において再犯防止を考えるのは、必須の課題である。
「罪を犯してしまった」者や「道を踏み外した」非行少年の社会更生の橋渡しをするのが、保護司の役目だ。保護司は法務省が委嘱する非常勤で無報酬の国家公務員であり、ボランティアである。
立場の弱い人間が抱える問題に、主人公である保護司・阿川佳代は真摯に対峙する。引用 : Amazon
「前科者」と社会をつなぐ『保護司』
とある事情で借金をしている主人公・佳代は、コンビニや新聞配達で生計を立てる傍で「保護司」をしています。
保護司とは、刑務所から出所してきた人たちの社会復帰のお手伝いをする民間の人のことで、報酬は一切なくあくまで奉仕精神によるボランティア。
とても誠実に仮出所をしてきた人たちに接する佳代。その姿はドがつくほどの真面目ぶりと優しさに溢れ、出所して間もない「浦島太郎」状態の人たちの心を溶かして良いきます。
そんな彼女の心の中にも自分の環境や、心ない人たちの言葉によって複雑な思いが交差しており
自分がなぜ「保護司」をするのか、何をする事が正しいのかを悩みつつも
それでも「彼女なり」に、これから社会復帰をしようとする人々の力になろうと、足掻きつつも必死に答えを探そうとしていきます。
「前科者」であっても決して全員が悪人なわけではない
「前科者」に出てくる刑務所から仮出所してくる人たちは、殺人や詐欺などの罪は犯しているものの、全員がみんな決して悪人ではなく「たった一つ運命がこじれた」だけ。
そんな彼らに、不器用ながらも誠実に接する佳代の姿は優しく健気なのですが、やはり周りの人たちの理解を得るのは容易ではありません。
当然のことながら世間の目は彼らを「前科者」として冷たく見るものが多く、環境次第では再犯を犯してしまうケースも少なくはありません。
自分のしていることは「エゴ」で独りよがりなものだとしても、それでも彼らの助けになりたいと自分の想いに正直に行動する佳代と、前科者としての周りの声や目に振り回されて苦しむ人々との絆は少しづつ深まり、どうにか希望を見出していきます。
「前科者」は「保護司」という聞きなれない仕事に対して理解を深める事はもちろん、悩みながらもバカがつくほど実直に手を差し伸べ続ける佳代の姿に、静かに心が打たれる良作です。
「法的措置が怖くて保護司やってられっか!」
はい!ここから少しネタバレが入りますので未読の方は注意してくださいね!
1巻ではテーマが「前科のある人々の社会復帰」がだったのですが、2巻は打って変わって「親子愛」になります。
「それだったら前科者関係ないんじゃないの?」って一瞬思うのですが、いやいやどっこい「前科者」の絡め方がめちゃくちゃ上手。
読み進めてるうちに「あ、前科者に偏見持ってるの私だわ」って途中でふと気づくキャラクターの描き方がマジですごくて、わかった気になって読んでた自分が恥ずかしくなるくらい。
っていうかみどりちゃんがマジで良いキャラすぎる。
題材も芥川龍之介の「杜子春」「蜘蛛の糸」「河童」をうまく絡めて非常にお見事。主人公・佳代と出所してきたミドリちゃんの芥川龍之介に対する意見は「ああ!それな!」って言いたくなるほどグッときます。
この芥川に対する想いの果てにでる、あんなにも丁寧な佳代が叫ぶ
「法的措置が怖くて保護司やってられっか!」
にはもう完全に胸熱。
それ以外にも2巻になぜか名言が多く出現する「前科者」ですが、堅苦しそうだなぁ〜と思っている方も、まずは試しに試し読みから読んでみてくらさい!
「前科者」まとめ
はい!そういうわけで今回の 「前科者」をまとめますと
- 保護司は刑務所から仮出所してきた人たちの社会復帰のお手伝いをする仕事
- 仮出所してきた人は全員悪人なわけではないのよ
- 2巻のみどりちゃんがマジで良キャラすぎてビビる。
こんな感じでございまっしょうか!
テーマがテーマなだけに、読むまでにだいぶ人を選んじゃいそうな作品ですが、読んでみると意外に重すぎないし結構万人にオススメできるマンガなので、ちょっとでも気になったら是非手にとってみて欲しい作品です。個人的には超オススメ。
それでは!また!
あ、マンガファンの人は「ビベーラ」もぜひ試してみてね!