【最高でした】映画「岬の兄妹」が素晴らしすぎたので、感想と公開初日の舞台挨拶の様子をご報告!
ついに公開されました。
平成最後の問題作「岬の兄妹」。
というわけで今日は「岬の兄妹」の公開初日の舞台挨拶の様子と、「岬の兄妹」本編の感想をお送りしようと思います!
先に感想をさくっというとね。
マジで最高に素晴らしい「映画」でした。観ないと絶対に損よ、これ。
- 関東で「岬の兄妹」観るなら、イオンシネマ板橋は空いてるからイイぞ
- 「岬の兄妹」公開初日の舞台挨拶で舞い散るチョコパイ!
- 肝心の「岬の兄妹」本編の感想!ネタバレなしVer
- 「岬の兄妹」の徹底したリアリティと主演二人の演技がとてつもない
- 北山監督の「映画」の撮り方に心掴まれる「岬の兄妹」(ネタバレ注意!)
- 「岬の兄妹」パンフとウンコTシャツも買っちゃったぜ!
- 「岬の兄妹」初日まとめ
関東で「岬の兄妹」観るなら、イオンシネマ板橋は空いてるからイイぞ
待ちに待った公開初日。都内の劇場はどこも満席でチケットが取れず「イオンシネマ板橋」まで出向いてみたら、なんと「舞台挨拶」が行われているじゃないですか。
スーパーラッキー!
そして発見!サイン入りポスター!
うわー、パクっちゃおうかなぁ。
と一瞬、欲望が理性を殺しにかかりましたが、さすがにこの歳でそんなことやったら映画を観るところかニュースに出ることになっちゃうので我慢。
そんなこんなで開場したシアター内に入ってみると、新宿や有楽町の満席ぶりがまるで嘘のような、まさかのガラガラ状態。
こんなこと書くとネガキャンになっちゃうかもだけど、新宿バルト9の最前列で首直角にしながら観るくらいだったら、30分電車で移動してゆったり観れるイオンシネマ板橋にきちゃった方が良くない?
綺麗だしゆったり観れるし個人的には良いことずくめだったので、もし「岬の兄妹」を観ようと思って都内の劇場全滅状態になったら、ぜひイオンシネマ板橋も選択肢の一つに入れておいてみてください。
「岬の兄妹」公開初日の舞台挨拶で舞い散るチョコパイ!
さて!映画の感想はあとで書くとして、まずは舞台挨拶の様子をご報告!
「岬の兄妹」の上映終了後にアナウンスが流れ、主演の松浦祐也氏と和田光沙氏、そして監督の北山雅康氏が花道から颯爽と登場!!
北山監督超デッケェ。
すっごい人の良い柔道部の先輩みたい。
それと、こんなこと言ったら失礼なんですが、「岬の兄妹」本編で見るよりも生で見る松浦祐也氏が超カッコ良くってびっくり。言動も仕草も超二枚目で、私が女だったら間違いなく惚れるタイプよこれ。
北山監督に役をオファーされた時のことを質問された時も
新宿のサムギョプサル屋さんに呼び出されて、「サムギョプサル奢ってもらったから、断るわけにはいかないぞ」という感じでなんとなく話が進んだと記憶しています。
なんてユーモアも男前で素敵。
一方、役の「真理子」とは全く違う印象の笑顔が可愛らしい和田氏!
和田氏は松浦氏の紹介でオーディションに参加し、「真理子」に抜擢されたとのことで
エッジの効いた尖った事をやってると思ったけど、松浦さんという安心感もあったし「やりたいな」って気持ちが一番大きかった。
と松浦氏に絶大な信頼を置いてる様子。
片山監督も「普段から兄妹みたいに仲がいい」と言う主演のお二人なのですが、この仲の良さが和田氏が「真理子」に抜擢された理由にもなっていたようで、片山監督曰く「息の合った二人のやりとり」と
こういう役をやってもあっけらかんとしたところが滲み出るなと。
笑えるシーンとかも和田さんだったら作れるんじゃいかな、と思って和田さんに決めました。
という理由で和田氏を「真理子」に抜擢したとのこと。確かに、劇中での二人はマジで「兄妹」だったもんな。
「最後にみなさんに伝えたいことがあればお願いします」いう質問に対して松浦氏は
観て頂いた方に育ててもらうような映画になってると思うんで、ぜひ良かったら知り合いとか友達とかに言ってもらったり、悪かったらそれはちょっと内緒にしていただいたりして(笑)うまいこと生きていきたいと思います。
と冗談交じりに答えていましたが、妹役の和田氏も
松浦さんは内緒にしててっていってましたけど(笑)どんなご意見も作ったからには覚悟の上でやってまいりましたので、ぜひどんなご意見でもいただけたら嬉しいです。
SNSとか周りの方に評判を伝えていただけたら嬉しいです。
とおっしゃってるとおり、実はこの日のツイッターでは「岬の兄妹」の「素晴らしかった」という感想ツイートが雨あられ!
いいですよいいですよ!みなさんでどんどん広めましょう!
そして最後に片山監督も
この映画のラストははっきり描かれてはいなんですけど、皆様がそれぞれ思い思い心の中に「こうなるんじゃないか」と思ってらっしゃる事が答えだと思っています。
もちろん自分としては「こういうことだよ」と明確な答えは提示したつもりですが、それよりもみなさんが思った事の方が大事だなっと思っていますので、観た後もみなさんの間で話題に、お話に出るような事になれば良いなと思っています。
と、マジでイケメンなことを言っておられました。
いや、本当にこの映画は出来れば誰かと一緒に観た方が良いよ。観終わった後、話したくて話したくてしょうがなくなるもん。
そして20分ほどして舞台挨拶も終わりかと思ったその時、なにやらゴソゴソし始めるお三方。
「それでは最後にチョコパイを投げたいと思います」
えっ!なんでっ!?
飛び交うチョコパイ。
チョコパイに群がる観客たち。
思いの外強肩の和田氏。
柔道部の先輩から野球部キャプテンにジョブチェンジした片山監督。
あとなんかわーわー言ってる松浦氏。
初めて舞台挨拶というものに行きましたが、舞台挨拶ってチョコパイ投げるんですね。
そんな「岬の兄妹」の舞台挨拶は非常にアットホームな空気感と、お三方の人柄と意気込みがすごく伝わってくる素敵なものでした。
いやぁ。チョコパイ欲しかった。
肝心の「岬の兄妹」本編の感想!ネタバレなしVer
先にもうはっきりと言いますが
お世辞抜きに素晴らしい作品です。少しでも気になったなら絶対に観るべき。
扱っているテーマは「障害」というもので、かなりデリケートな部分まで踏み込んでるというか踏み込みまくっているのですが、この映画を観た人の中でどれだけの人が最後まで「障害」という色眼鏡をかけていられるのか。
良い意味でも悪い意味でも、障害者は決してイノセントではなく人間で、みんなそれは頭の中でわかっていつつもどこかで色眼鏡をかけて見てしまう。
「岬の兄妹」はそんな色眼鏡を時には乱暴に、時には優しく、そして悲しく奪い去っていきます。
白石和彌氏(映画監督。代表作『凶悪』『日本で一番悪い奴ら』)もおっしゃっていましたが
あらゆることを吹き飛ばす笑いと生命の躍動。
クソみたいな世の中にクソを投げつけてでも必死に生きる兄妹の美しさよ。
まさに「クソ喰らえ」と言わんばかりに必死にもがきながら生きる兄・良夫と、愛を求めつつも上手に伝えることが出来ない妹・真理子はすごく人間的で、刹那的な幸せにしがみつく姿は汚くも美しさに溢れています。
この映画はかなり過激なテーマなので勘違いをされそうなのですが、根底にあるテーマはとどのまりの「愛」です。
それは「恋愛」でもありますし、「兄妹愛」、そして「家族愛」でもあります。
ラスト10分の兄妹の姿は決して涙なしでは見れません。
ぜひ、気になっている人は一刻も早く劇場のチケットを予約しましょう。
そしてラストーシーンの「あなたの答え」を見つけてみてください。
果たして、良夫は売春をさせていたのか。
愛に自由にさせてあげていたのか。
最後の瞬間は、マジで鳥肌が経つほど美しい。
「岬の兄妹」の徹底したリアリティと主演二人の演技がとてつもない
それとね、なんと言ってもこのご両人の演技がマジでパない。
片山監督が「普段から兄妹みたいに仲がいい」というだけあってか、掛け合いが自然体すぎてリアリティがえげつないことになってます。
「お兄ちゃん怒るよ!」って怒る松浦氏はマジで30年以上連れ添ったお兄ちゃんそのものだったし、こんなこと言うとアレですが、「冒険する」と家を飛び出そうとしてわがままを言う真理子はまさに自閉症のそれ。
必死に妹の面倒をみようとしてアレコレ奮闘して怒る良夫をたった一言でかわす真理子に、時には爆笑させられつつも、和田氏の演技に固められたその「たった一言」で涙が飛び出てしまいます。
個人的に「良夫が見る夢」のシーンと「ラストシーンの真理子」は必見ですよ。
いやまっじでこの人たちが報われないとダメでしょ。本当。
あとね、着てる服もいちいち「安っぽい」服で生活感があるのも二人の演技とリアリティをブーストさせてる要因の一つ。和田氏が美術協力してるっていうのも関係あるのかなぁ。
この徹底されたリアリティの中で繰り広げられる、二人の「ふるえながら生きる」姿は生々しく、吐き気がするほど人間的で愛おしい。
本当、マジで観て。
北山監督の「映画」の撮り方に心掴まれる「岬の兄妹」(ネタバレ注意!)
私は映画のテクニック的なことは詳しくないのですが、「岬の兄妹」は様々なシーンで息ができないほど緊張したり「マジかよ」と驚かされたり、本当に無駄なシーンが一つもなくて最後までずっと見入ってしまいました。
撮影していて「通じないかな?」と思っていたところも、皆さんしっかり読み取って観てくれていますし。主演の二人に「なんでこのシーン撮るんですか?」と質問される事も多かったんですよ。
引用:岬の兄妹 パンフレット
とパンフレットのインタビューにはあるのですが、意味がない場面なんて一つもない!
しかも、始めから終わりまで一切退屈させない!
多分これは撮り方・見せ方のおかげだと思うのですが、ポン・ジュノ監督の元で助監督として研鑽していたという北山監督ならではなのか、余計に説明じみたシーンをいれずに情景や感情を表現させてくれてて、マジで飽きさせないし見入っちゃうの。
極力ネタバレは抑えますが、ここからは内容に具体的に触れていくので気をつけてくださいませ!!
北山監督の撮り方はあまり日本映画で観ないような撮り方も多く
真理子の「お仕事」の時間経過をフレーム外で人が入れ替わる撮り方で表現したり、冒頭に映る「ブランコ」、蛇口から常に出続ける水とその音の使い方、さらには貯金箱(シゲル)とドキッとする仕掛けが盛りだくさん。
しかもどれも一切の嫌味がないの。すごいよなーこれ。
個人的に良夫で好きなシーンは
はじめての「給料」で買ったハンバーガーを良夫が貪り喰いながら、窓を覆っていたダンボールぶち壊しまくって部屋に日の光が入ったシーン。
いろいろ混ざり合ったすべての感情を「ダンボールをぶっ壊す」のひとつで表現して、最後は締めに真理子の「明るいね」の一言は涙が飛び出ちゃう。このシーンはマジでやばい。
真理子で好きなシーンは
ここね。
余計なこと書かないけど、ここの「終わっちゃった?」はやばいよ。
私の周り全員が一気に「グズっ」て鼻すすってたもん。
まぁ私は「ふぐぅ」って声出ちゃいましたけどね。
「岬の兄妹」パンフとウンコTシャツも買っちゃったぜ!
というわけで、めちゃくちゃにシビレたのでしっかりパンフもゲットしてきました!
このパンフは780円とかだったと思うけど、監督のインタビューが結構なボリュームで収録されてたり、細かい出演者の方の紹介が書いてあるなど、内容がすごくしっかりしてるので余裕があったら買う価値ありです。
というか、お布施だと思ってみんな買いましょう。どうせR15で観てる人みんな大人しかいないんだから。
ちなみに、パンフの裏は見るとちょっと思い出して涙ぐむアレが描かれているのでお楽しみ。
そして、 SNSで話題になっていたうんこTシャツも購入!
あとから知ったんだけど、限定100枚だったらしくてすぐに売り切れちゃったみたい。
いえーい!なんも考えないで観る前に帰ってよかったー!
街中でこのシャツ着ているハゲがいたら私の可能性が大なので、ぜひ見かけたらお茶しましょう。
一緒に「岬の兄妹」について熱く語り合いましょう!
「岬の兄妹」初日まとめ
というわけで、「岬の兄妹」は期待通りと言うよりも、まさに期待以上の「素晴らしい」しか言いようのない平成最後の名作でございました。
まだ観てない人で、気になってこの記事をここまで読んでる人は今すぐこのブログを閉じて最寄りの映画館のチケットを予約しましょう。
マジで上映期間が1〜2週間って短いから、躊躇してる間に終わっちゃうのよ!
そして、ぜひ「岬の兄妹」を鑑賞して「よかった!」と感動したら
パンフもしっかり買って北山監督にお布施をしましょう。
片山監督はこの映画の費用を全額自費で出されたらしく
何より妥協したくなかったので自分で出すのが、潔いと思ったのでそうしました。
引用:岬の兄妹 パンフレット
という「漢」な人なので、みなさまどんどんパンフレットを買ってSNSで拡散して北山監督にお布施をしましょう。
そして、次回作も素晴らしいものを作ってくれることに期待しましょう!
いやぁ、それにしてもよかったなぁ。
マジであと三回くらい観たいよ。
みなさまも是非「岬の兄妹」を楽しんでくださいません!
それでは!また!
ぱお。