ゲイの高校生を描いた「僕らの色彩」の青春に胸がヒリついてたまらない
表紙が「なんか綺麗だなぁ」くらいの軽い気持ちで手に取ってしまったのですが、なんとも不思議な空気の素敵なマンガでした。
今回ご紹介するのは、ゲイの男子高校生をモチーフにそれぞれの「普通」で揺れ動く恋心を描いたこちら。
「僕らの色彩」でございます。
ネタバレなしで記事を書いてますので、これから読む人も安心してご覧下さい。
「僕らの色彩」あらすじ
「俺は男が好きだ」その秘密が、自分を、相手を、追い詰める――
高校生の井戸田宙はクラスメイトの吉岡健太に片想いする、ゲイの高校生。幼馴染の仲村奈桜にも秘密にしていたが、「ホモなんて気持ち悪い」と友人達とふざけあう吉岡の姿にショックを受け、学校を飛び出してしまう。海辺で佇んでいると、年配の男性から突然「好きだった」と告げられ…。
"当たり前"が誰かを傷付ける――心ヒリつく青春ドラマ。
引用 : Amazon
「僕らの色彩」は男に恋する「ただの男子校生」
主人公の宙は、通学バスで好きな人と一緒になったら心躍ってしまう様な普通の明るい男子高校生。ただ人と違う事は、その好きな相手も男だという事。
自分でも自分の事を「ゲイ」だと認識してはいるものの、クラスメイトはもちろん家族や幼馴染にも打ち明けず、一人で胸の中に隠しながら「普通」の男子高校生を演じて日々を過ごしているのですが、思春期ならではの冗談も彼にとっては「冗談」ではなく
一つ一つの言葉が彼を責め立てる様に刺さり、自分の立ち位置を明確にもできずごまかして過ごしていくしかありません。
「告白して付き合ってデート」という、高校生として当たり前な事も彼の中では夢のような事。
と、そんな彼にある日一人の女の子が彼がゲイとは知らずに告白をします。
告白を受けた宙は「自分はゲイだから無理」と本当の事も言えず、気持ちが追い込まれ息もつまり逃げ出してしまうのですが、この時に気づいてしまうのです。
もし自分が好きな人に告白をしてしまったら、その好きな人を自分と同じ様に追い込んでしまうのではないかという事に。
それぞれの普通で傷つき合う「僕らの色彩」
主人公の宙はその後にとある老人と出会い、自分以外の「ゲイ」の人と話す様になり物語は進んでいくのですが、アマゾンのあらすじにある通りそれぞれの「当たり前」に傷つきながら成長してく「僕らの色彩」は心のどこかにメチャクチャ響きます。
主人公であり「ゲイ」でもある宙もそうなのですが、彼を支えようとする幼馴染の奈桜ちゃんが健気で切なくて。。
自分が「ゲイ」だから想いが伝えられない宙と、好きな人が「ゲイ」だと知って支える事にした奈桜。そして、宙にかつての想い人を重ねるカフェのおじいさん。
そんな三人がこじんまりとしたカフェの中で過ごす「僕らの色彩」は、ストレートな私でも胸がヒリつく素敵な作品で、かつて焦がれる様な恋をした全ての人にオススメです。
こちらで試し読みができますので、是非読んでみてくださいませ。
「僕らの色彩」まとめ
はい!それでは今回の「僕らの色彩」をまとめますと
- ゲイでもストレートでも恋する気持ちは変わらないね
- 「普通」っていう尺度は時に悪気なく人をひどく傷つけちゃう
- 友情と愛情との間で揺れる奈桜ちゃんが私はもう!あぁ!
こんな感じでございますかな!
いやぁ、デリケートなテーマな分すごく改まって記事を書いてしまった感がありますが、平たく言うと「一回でも誰かにマジ惚れした人はとりあえず読んで!」という事が言いたいわけですよ私は!
ゲイの話だとかの事前情報や偏見なしにして是非読んでほしいオススメマンガでした。
それでは!また!
あ、マンガファンの人は「ビベーラ」もぜひ試してみてね!