たなか亜希夫、最新作「リバーエンド・カフェ」に心奪われてヤバい
こんにちわ!ルムです。
完全にノーマークでした。まさか新作を発表していたなんて。もう期待以上の秀作。
たなか亜希夫氏の想いが詰まった最新作「リバーエンド・カフェ」
マンガファン必読です。
ネタバレなしで記事を書いてますので、これから読む人も安心してご覧下さい
「リバーエンド・カフェ」あらすじ
宮城県石巻。あの震災から数年が経ったこの地に住む
高校2年生・入江サキはある夜、謎の男と出会う。
不埒な輩に絡まれていたところを助けられたサキ。
北上川の中瀬に灯る明かりに誘われ、少女は不思議なカフェへと辿りつく。
そこで出されるコーヒーには、人生の楽しさや悲哀が入り混じっていた――。
石巻出身のたなか亜希夫が震災後の故郷を描く最新作、12巻同時発売! !引用 : Amazon
たなか亜希夫氏、最新作「リバーエンド・カフェ」最高。
あの「軍鶏」で心震わせた人も多い「たなか亜希夫」氏の新作は「人間模様」。
舞台は震災から約7年後の宮城県石巻市。「震災の復興」がキッカケでいじめの対象になってしまった女子高生・入江サキを偶然助けた「謎の男」。ひょんな事から謎の男が営む「不思議なカフェ」に入り浸るようになり、様々な人間模様に巻き込まれていく。
元々描写が素晴らしいたなか亜希夫ですが、たなか亜希夫氏自身が石巻市出身ということもあり、「リバーエンド・カフェ」は「たなか氏独特の煙たい空気」感と別に、何とも言えない想いが伝わってきます。
あの震災で失った恋人に会いたい男子高校生。
洪水で流されてしまった思い出の彫刻を探す老人。
様々な想いが「リバーエンド・カフェ」に集まり、1杯のコーヒーと共に先に進んでいきます。その先にあるのが「ハッピーエンド」でも「バットエンド」でも。
「リバースエッジ大川端探偵社」と同じような印象を受けそうですが、個人的には「リバーエンド・カフェ」に漂う空気は全く違く、圧倒的に「リバーエンド・カフェ」の方が大好きです。
堤監督に通じる非現実の世界の「リバーエンド・カフェ」
「リバーエンド・カフェ」に集まる様々な人々に起こる出来事は、はっきり言って「非現実」的なことが多いのですが、舞台が実際の石巻市ということもあって、"TRICK"や"SPEC"の堤監督に通じる「現実の中の非現実の世界」になっています。
たなか亜希夫氏の圧倒的な画力も伴って、全てのシーンがもう見所。特に「日和山心中」というエピソードで魅せる、現実と非現実の区別も曖昧な桜の見開きは圧巻です。悲惨でもあり綺麗でもある桜と愛の散り方が素晴らしすぎる。
ちなみに、画力を無駄に使ったユーモアも健在で、ブサイクという理由でひどいあだ名がつけられてイジメられている女子校生の回があるのですが、そのあだ名が「即身仏」って。いやー、でもマジで顔が即身仏なんですけどね。
一気に2巻まとめての同時発売なので、是非とも同時に読んで「たなか亜希夫」ワールドに浸ってみてください。
「リバーエンド・カフェ」まとめ
今回の「リバーエンド・カフェ」をまとめますと
- たなか氏独特の煙たい「非現実の世界」が切なくも暖かくて最高
- 圧倒的で繊細な画力の見開きには心奪われてヤバい
- 様々な人の「前に進む」想いが胸に刺さってたまらない
こんな感じでございます。
本当に「リバーエンド・カフェ」を堤幸彦監督で映像化してくれないかなぁ。
3巻も絶対に読もう。
それでは!また!
あ、マンガファンの人は「ビベーラ」もぜひ試してみてね!