保坂和志「小説的思考塾」に作品を1つも読んでない分際で行ってみた件【@巣鴨 Ryozan Park】
さてさて、鬱で落ち込みまくって
「死んじゃおうかなぁ〜」
なんてドン底の底まで落ちてアルコール漬けの毎日を送ってたときに
あ、小説書いてみよ。
なんて「そうだ 京都、行こう」ばりに思い立ってから
早4ヶ月を迎えてしまいそうなこのハゲ。
4ヶ月の間、ずっとこのブログでずっと言っている通り
文芸好きってどこに行ったら出会えるのよ?!
と嘆き悲しむ毎日を送っていたのですが
ある日、ふとこんなツイートを発見したんですよ。
👉小説的思考塾12/21(土) https://t.co/ESitTpa79g
— hosakakazushi.official (@HosakakazushiO) December 3, 2019
読書実録もよろしく👍#保坂和志#小説的思考塾#読書実録#書きあぐねている人へのアドバイス#言葉を信じない小説家による思考の塾
あらやだにゃんにゃんかわいいー!
じゃなくて
小説的思考塾ってなんだよ?!
- 「小説的思考塾」ってなに?
- 【小説的思考塾】保坂和志って一体誰?
- 【小説的思考塾】というわけでですね。
- 【小説的思考塾】行ってみて良かったことと注意点
- 【個人的な注意事項】今後、自分が気をつけるべきこと
- 保坂和志「小説的思考塾」に作品を1つも読んでない分際で行ってみた件【@巣鴨 Ryozan Park】まとめ
「小説的思考塾」ってなに?
実は私、最近になって保坂和志氏のツイッターをフォローしていたのですが
小説のお話をつぶやいてくれるのが嬉しくてフォローしてるのもあるんだけど
ほぼ毎日アップされるネコちゃんの可愛い動画が目的だったんですよね。
だもんで、突然の先ほどの「小説的思考塾開催」のツイートにはびっくり仰天。
いろいろ調べてみると、どうやら保坂和志氏が直々に小説作法や最近の小説に関しての考えをいろいろとお話してくれる会のよう。
超楽しそうじゃん。
だってあの保坂和志氏ですよ?
いや私まだ作品は読んだことないんだけどね。
【小説的思考塾】保坂和志って一体誰?
まぁこの写真がもうかっこいいんだけども!
なんで私がまだ作品を読んだこともないに関わらず
保坂和志氏の「小説的思考塾」に興味を持ったかといいますと
以前にご紹介しましたが
保坂氏が書いた「書きあぐねている人のための小説入門 」っていう小説作法についての本がありまして
Amazon 書きあぐねている人のための小説入門 (中公文庫)
この本がめっちゃ響いたんですよ。
なんていうか「音楽をやっていた時と同じ感覚で小説って書いてもいいのかな」的な。
なのに、そのくせなんでまだ作品を読んでないかっつーのはさ。
ほら、いろいろとさ。
勉強しなきゃいけない本が多くてさ(言い訳
ちなみに「保坂和志って誰?」って人はwikiでも開いてみて欲しいんですけど
超わかりやすくいうと
- 野間文芸新人賞(1993年)
- 芥川龍之介賞(1995年)
- 谷崎潤一郎賞(1997年)
- 平林たい子文学賞(1997年)
- 野間文芸賞(2013年)
- 川端康成文学賞(2018年)
を受賞してきた人って言えばわかりやすいでしょ?
超ミーハーな言い方するとさ
芥川賞作家が目の前で小説談義をしてくれるのよ?
こんなのめっちゃくちゃ面白そうに決まってるじゃんね。
【小説的思考塾】というわけでですね。
そんなの即決でいきますよね。
というわけで今回は
この「小説的思考塾」に行ってきた感想や
自分自身にちゃんと言い聞かせたいことなどをご報告していきたいと思います。
はい、長い前振り終わり!
私の個人的に率直な「小説的思考塾」の感想
🤠昨日の小説的思考塾vol.7にはたくさんのご参加ありがとうございました。👿次回は2月1日を予定しています。テーマはいま考え中ですが、「書きあぐねている人へのアドバイス」路線にはならないだろうと思います。が、皆さん、どうぞよろしくお願いします。 pic.twitter.com/aac8405CTS
— hosakakazushi.official (@HosakakazushiO) December 22, 2019
最初に「小説的思考塾」自体の感想を簡潔にご報告いたしますと。
控えめに言って最高っす。
詳しい内容は
「私が時間とお金かけて行ったんだから教えたくないやい!」
なんであまりここに書きたくはない(意地悪だい!)んですが
この記事で興味を持っていただいた人のために、アバウトに具体的なことを申しますと
- 毎回決めたテーマについての解説・考察や
- 「書きあぐねている人のための小説入門 」の復習的なこと&深堀りを
- 最近発表された小説を実例に挙げながら詳しくお話してくれる。
って感じでございました。
しかも、これがハチャメチャに丁寧で
😎明日のノート、作成中。
— hosakakazushi.official (@HosakakazushiO) December 20, 2019
👿明日は会場のセッティングができ次第、入場していただく予定です(2時10分目標)。
🤖椅子席の人も床座りの人も、小さなマットか座布団をご持参いただくと少しは楽かと思います。 pic.twitter.com/VRtbncgdYd
事前にこの保坂氏のノートをコピーしたものが配布されるので
もう垂涎ものですがな。
先にまとめっぽいことを言っちゃうと
小説を書こうと思ってるけどいろいろ悩んでグルグルしてる人はマジで行った方がいいと思います。
っていうのもさ、もちろん講演会自体も素晴らしいんだけど
講演会の後に懇談会っていうのも用意されていて
会場のみんなと保坂和志氏で一緒に軽くお酒を飲みながら
お話できる会もあるんですわ。
私は人付き合いが得意じゃないから、この懇談会に参加するかすんごい悩んだんだけど
いやぁ、マジでこれは出た方がいいわ。
場所的に関東近郊じゃないと厳しいかもしれないけど
私が関西とか離れた場所にいたとしても
ホテル用意して行くレベルでオススメよコレマジで。
【小説的思考塾】行ってみて良かったことと注意点
って言われても「何がそんなに良いんだよ!」って感じだと思うので
私が感じためっちゃ良かったことと注意した方がいいことを箇条書きで挙げますと
- 文芸・純文学好きにたくさん出会える
- 知らない本にたくさん出会える
- 懇談会で保坂和志氏の話が直接聞ける
- 講義自体が単純に面白い
- 事前にTwitterは見た方がいい
- ぼっち&知識不足になるのは覚悟の上
とまぁこんな感じでございます。
さぁさぁ各々ご報告してまいりましょうか!
講演会の内容は書かないよ。
だってそこはなんか言いたくないんだもん!
文芸・純文学好きにたくさん出会える
😈小説的思考塾🔶2回目「始まりと終わりという概念は虚構である」🐈3月9日(土)午後3時開始【料金】2,500円 【申し込み】https://t.co/XRaustfhlXまで(予約専門のページにしました)👉今回は予約順でなく、当日に並んだ順に入場〜着席してもらいます。#保坂和志#小説的思考塾#時間過去記憶#rlib pic.twitter.com/2fw9ntVUtz
— hosakakazushi.official (@HosakakazushiO) March 2, 2019
これがマジでマジで個人的には最高でございました。
今までこのブログで散々
「どこに行けば文芸好きに会えるの!?」って叫び続けていましたが
ここに居たわ、しかも結構いっぱい。
ってか、こんな会(って言ったらアレだけど)に参加する人で
文芸が好きじゃない人ってそうそういないよね。
講演会後の懇談会(今回は忘年会だったんかな?)で会場にいた人たちといろいろお話したのですが、中には小説を書いている人だけじゃなくて芸術関係や演劇、音楽をやっている人もいるんだけど
もちろんみなさん保坂和志氏が好きだからここにいるわけなので
とにかく話す内容が主に小説に関する話ばっかり。
もうね。
これほんとにさ。
マジで幸せだったの私。
ネットやリアルで会う人たちでこういう小説の話もできないからっていうのもあるけど
あー、こんなにいっぱい純文学が好きって人がいるんだなぁーって。
そういう空間にいるだけでも本当最高。
なんてアイドルに出会えたおっさんみたいなこと言ってますが
みなさん「保坂和志」が好きでそこにいるだけありまして
知識がエッグいのよ。
知らない本にたくさん出会える
もう誰かと話せば話すほどに
みなさんからドンドンオススメの小説が出てくる出てくる。
もう私が本を読んでなさすぎるのがいけないんだけどさ。
会話に出てくる本がだいたい知らねぇの。
でもね、ここでシッタカぶっこいて嘘ついてもしょうがないので
すいません、私全然本読んでなかったのでその本読んだことないんです(涙
って素直にいうと
えー、それなら◯◯とか読んでみたらいいですよ!オススメです!
って超優しく教えてくれるの。
なので、いろいろな人とお話をすればするほど
知らない本や魅力的な本が雪だるま式にドンドン増えていくのよ。
さらにね、私が思い切って
さらにごめんなさい。私保坂さんの作品をまだ1個も読んでないんです(爆死
ってこんな無礼で場違いな告白をしてもね。
あっはっは!それ保坂さんに言おうよ!
ってハチャメチャなフォローしてくれるの。
そんでね。
ねー!この人保坂作品1つも読んでないんだってー!
って保坂氏のところに連れてってくれちゃったりするの。
そんで保坂氏も保坂氏で
そうなの?あっはっはー!
で、君だれ?
つって優しくお話をしてくれるんですよ。
もう、異次元。
懇談会で保坂和志氏の話が直接聞ける
ソロトークの〈小説的思考塾〉の始まりの前に、インタビューがr-libに、載りました。インタビューというのは、いつも必ず短く編集されて、意味が微妙に変わってしまうけど、この記事はインタビューのライブ感が再現されてます😊https://t.co/iPrE0siqz4#保坂和志#小説的思考塾#時間過去記憶#r-lib pic.twitter.com/AuUVDmFRMt
— hosakakazushi.official (@HosakakazushiO) February 15, 2019
そんな保坂氏も実際にお話をさせていただくと
非常にフランクでユーモアのある優しい方で、イメージとしては
文章から感じる硬質な感じ+ネコちゃん動画の柔らかさって感じ。
わけワカンねぇって?
私もわけワカンねぇんだよマジで。
しかもみんなのことを考えてくれてなのか
ものすごいサービス精神が旺盛で
ずっと会場の誰かと気軽におしゃべりしてるんですよ。
だから保坂氏の近くにいてお酒をチビチビやってるだけでも、保坂氏の
- 小説
- 哲学
- 音楽
など様々なお話が聞けちゃうんです。
いやぁ。
これで懇談会の参加費が1,000円って激安だよね。
って懇談会の話ばっかりだけど、本編の講義の方もメッチャやばいんだよ。
講義自体が単純に面白い
(一昨日のつづき)あなたは賢い人を出したい。しかしあなたは賢い人を描けない。👿総論的に言えば、この前提が現代小説。(A)あなたが賢いと思って絶対視してた人を、時が経って思い返してみると、 pic.twitter.com/mv3jumiPG2
— hosakakazushi.official (@HosakakazushiO) December 17, 2019
前半でも軽く触れたけど、本編の講義では
実際の小説の作品を題材に保坂氏が自身の考えを述べていく場面がありまして
👿12/21(土)の小説家思考塾で、題材にする小説は、🤠千葉雅也「デッドライン」(新潮9月号)、小谷田奈月「神前酔狂宴」(河出書房・単行本)、李琴峰「五つ数えれば三日月が」(文藝春秋・単行本)、高山羽根子「如何様」(小説トリッパー夏号)、宮下遼「青痣」(群像3月号)、 pic.twitter.com/BintuzVNAn
— hosakakazushi.official (@HosakakazushiO) November 24, 2019
こんな感じで事前に作品のアナウンスがされるのですが、今回実際に触れた作品は
- 千葉雅也「デッドライン」
- 李琴峰「五つ数えれば三日月が」
- 高山羽根子「如何様」
- 村上春樹「ウィズ・ザ・ビートルズ」
この4作品でした。
この作品中の文章を保坂氏がテキストに起こして逐一丁寧に解説してくれるんですよ。
これ、やばいよ。
自分が読んだ時になんとなく抱えていた違和感の正体も
「ああ!そういうことか!」
って理屈で理解できたり
「あんまり響かなかったんだよなぁ」って部分も
「あ!そういうこと言ってたの!そうだったらそらすごいわ!」
ってもう一度考えることができるんですよ。
すごないコレ?
私だけ?
私の頭がパーなだけですかね?
事前にTwitterは見た方がいい
そんで、ここからは次回以降にかけての私への注意事項でもあるんですが
まず事前にTwitterはよく見ましょう。
実際はFacebookで丁寧に発信しているみたいなのですが
🎃スリッパが少し足りないので、履き物をご持参いただけると助かります。土足を入れるビニール袋も念のため、ご用意ください。
— hosakakazushi.official (@HosakakazushiO) December 20, 2019
🙇♂️注文が多くてすいません。3時開始です😺#保坂和志#小説的思考塾#読書実録#書きあぐねている人へのアドバイス#忘年会
こんな感じで
会場の入り時間や、自分で用意した方がいいものなんかのアナウンスがあるんですね。
っていうのも、会自体が結構なDIYな感じで「みんなで作っていきましょう!」な感じなんですよ。
なので、参加する自分サイドでも準備できるものは準備して
このまま小説的思考塾が継続していけるように
自分のためにちゃんと準備していきたいと思います。
ぼっち&知識不足になるのは覚悟の上
これはもう覚悟して行った方がいいよね。
そもそも、この会に一緒にいける友達なんてそんなにいる人は少ないと思うし
この会にくる人たちは、基本的にみんななんかすげぇんですよ知識が。
多分「文学部出身」とかなら当たり前のレベルなのかもしれないけど
普通に35歳から「小説よも!」ってなった人からすると
マジでみんな異次元レベルなのよ。
だからもう知識不足になっちゃうのはしょうがないし、そこでコンプレックス感じるのも馬鹿らしいので「私はなんでも吸収できるスポンジ」くらいの気分でいきましょう。
そんで1人でこういう会にいけば必ず最初は1人で誰かに話しかけなきゃ始まらないし
ちょっとした時に1人で話し相手がいないみたいな瞬間もあるわけでさ。
この「ぼっちタイム」も覚悟の上よ。
っていうかさ。
リアルでずっと「ぼっち状態」なんだから
それを変えるための「ぼっち」は覚悟さえできれば全く苦しくないわ!
ってわけで、行く前にこの「ぼっち&知識不足」は
懇談会を楽しく過ごすためにも、ある程度は覚悟して臨みましょう。
もし次回行く人いたらツイッターのDMでもブログのコメントでも言ってよ。
一緒に懇談会出ようぜ。
【個人的な注意事項】今後、自分が気をつけるべきこと
ねー!楽しかったねーにゃんにゃん!
さぁさぁさてさて、お次は完全に自分への忠告と戒めなので
関係ねぇしって人は読み飛ばしちゃってね!
つーわけで、2つだけ備忘録でちゃんと書いておきますわ。
エコーチェンバーに気をつける
当然のことながら、この会に参加する人で「保坂和志」を好きじゃない人はいないわけで。
そうなってくると絶対にエコーチェンバーも起きやすいと思うんだよね。
保坂氏はご自身で
「具体的なことを話すのは嫌なんだ」
とおっしゃっていたのでそんなつもりはサラサラないと思いますし
むしろそういう環境は好きじゃないと思うのですが
どうしても同じ何かに惹かれて人が集まり始めると
エコーチェンバーも起きやすくなると思うんですよね。
だからと言って「染まるな!自分だけは違うと思え!」って話じゃなくて
ちゃんと保坂氏や他の人の発言の一つ一つを
『ただ受け入れる』んじゃくて『ちゃんと自分の頭で考える』ことを意識しないと危険だよね。
ってお話なんだけどさ。
特に私みたいな「いやぁ自分は無知だなぁ」って思っちゃう人だと
自分の思考に自信がないからますますエコーチェンバーモードに入りやすいと思うので
これだけはちゃんと意識していきたいと思います。
一時の熱に浮かされちゃいけない
これがマジで最重要事項だと思っています。
何度もこのブログで書いている通り
ずっと純文学好きな人に出会えなくてフラストレーションが溜まってた状態だったので
それはもう最高な会だったんですよ。
ただ、その最高な気分がどこにあるのか。
これを分からずに混同し始めるとハチャメチャに危険だと思っていまして
- 自分の「同志」を見つけたような高揚感
- 保坂氏からの新しい知識・考え・方向性に触れて考える機会への喜び
この2つのどっちのモノなのかを分別つけないとヤバイなと。
これが分別できないと
あー!なんか最高な会だったしまた行きたいな!
にもなって、目的と手段がいつの間にか入れ替わることもありますし
発達障害でもある自分自身の特性を加味すると、言い方はすごく悪いですが
勝手に自分が「保坂教」の信者になってしまいそうな気もしています。
もちろん、自分の「同志」を見つけたような高揚感も楽しいし
そういう場もすごく素晴らしいのですが、自分の感情と目的も見極めないとな。
ってことなんですけどね。
なんで楽しかったのか。
今回楽しかったのはなぜなのか。
もし「〇〇さんと今回も懇談会で会えて新しい人にも出会えた!」っていうのが
- 保坂氏からの新しい知識・考え・方向性に触れて考える機会への喜び
を上回ってしまうようなことがあったらなんだかなぁ。な感じもしてしまうので。
だので私自身、自分の感情の区別がなかなかつきずらいのでこの辺をめっちゃ意識して
今後も「小説的思考塾」に参加していこうと思う次第でございます。
保坂和志「小説的思考塾」に作品を1つも読んでない分際で行ってみた件【@巣鴨 Ryozan Park】まとめ
はい!なんつって後半エラそうに書いたけど
あれ全部自分への戒めだからね!
私そういう傾向あるからヤベぇぞ!
って話だからね!
実際に会に行けばわかると思うんですけど
参加者のみなさんも運営してるみなさんも非常にいい人が多いので
(少なくとも私の話した人たちはね)
この記事を読んでも変にビビったりしないで
興味がわいたらお気軽に参加してみてくださいな!
次回はどうやら来年の2/1に予定しているそうなので
気になる方は保坂氏のツイッターなり
フェイスブックなりをフォローして
一緒に続報を待ちましょう!
いやー、それにしても最高な会だった。
絶対これ通うわマジで。
それでは!
また次回!